福祉の仕事について3年経った今、思うことがある。
私は仕事を通して親への見返りを求めているのではないか、と。
私にはハンデを持った兄弟がいる。その影響で、誰かのために役に立ちたいと福祉職に就いた。
ただ、長年、私は家族に対してコンプレックスを持っていた。それは家族に大事にされてないのではという思い。
福祉職に就いてから学んだことがある。それは、自分に優しくできなければ相手にも優しくできないということ。
物心ついたころから、自分よりも兄弟を大事に思っていた。つまり、自分を犠牲にして生きてきた。
おまけに私は、秀でたものがなかった。兄弟のほうが優秀だったので、家族は兄弟のほうにしか目がない。私は、よりそう強く思うようになった。
そんな思いを抱えながらも福祉職に就いた。
しかし、福祉職に就くことで親からの見返りが欲しかっただけではないかと気づいた。そう考えてからは、日々がとても苦しくて、今でもひどく落胆しては絶望することがある。そして、私のアイデンティティは崩壊したに等しいといえる程の喪失感を覚えた。
だから、これからは私のために生きていこうと思った。
昔から私は詩を書いたり、小説を書いたり、絵を描いたりと、芸術的なことが好きだった。高校、大学の頃は疎遠になっていたが、家にいる時間が多かった近頃、再び絵を描いたり、詩を書いたりするようになった。
こうして再び芸術的なことに触れているうちに、これが心から私の好きなことだと、改めて実感した。
モノを作ることで私の証を作る。そして、自分の価値を高めるためにモノを生み出していく。自分の思いを100%理解してあげられるのは自分しかいない。なら、自分らしさを形にして生み出していけばいい。
自分の作り出したものを評価してほしいなんて、1ミリも思ってない。私は私のために私の証を生み出す。それが誰かの心にどんな形であれ届いたら嬉しい。それだけ。これこそ私の生き様なのかもしれない。
人生なにがあるかなんてわからない。どうせ生きるなら楽しんでいこう。
オリバー。